来院理由 第2位、外耳炎

大雨です。

ずっと大雨です。。。

早く太陽が見たいです。

さて、愚痴はここまでにして今日のテーマです。

ここまで来院理由の1位の皮膚炎について紹介しましたが、今日は2位の外耳炎について紹介します。

 

【症状】

痒そうにしている、頭を振る、耳のにおいが気になる、耳を触ると痛そうにする、耳垢の増加などが挙げられます。

 

 

 

【好発品種・年齢など】

外耳道の被毛、垂れた耳介、先天性の耳道狭窄のある品種が好発する要素にあげられます。

シーズーなどは代表的ですね。

 

 

 

【治療】

原因によって変わります。

細菌・真菌・寄生虫が代表的なものとしてあげられますが、それぞれ抗菌薬、抗真菌薬、駆虫薬で対応します。

駆虫薬では最近コロナで話題のイベルメクチンを使用するケースもあります。

炎症が起きている場合はステロイドを投与します。

 

 

 

【自宅でできるケア】

耳の環境を清潔に保ちましょう。

参考までにリンクを張らせていただきますが、耳洗浄を自宅でする方法もあります。

 

いかがでしたでしょうか。

ご参考にしていただければ嬉しいです!

 

皮膚炎⑤~食物アレルギー~

お久しぶりです。

少しバタバタしており更新ができませんでした。

今日からまた記載していきますね!

さて、今日は皆さんにもおなじみの食物アレルギーについて記載します。

ヒトだけじゃないのです。

動物たちにもとてもよく起こり得ることなのでお役に立てればと思います。

 

【症状】

痒みなどが多くの場合症状として現れますが、掻きむしるほどの痒みを伴い、ひっかいて傷などを作るケースもありますので、注意が必要です。

部位は顔面、耳、四肢など多岐にわたります。

また、慢性の下痢などの消化器症状をきたす場合もあります。

【好発品種・年齢など】

ダックスフンド、パグ、フレンチブルドッグなどが好発します。

 

 

【治療】

アレルゲン除去食を用いますが、加水分解タンパクフードを第一選択として用います。それでも症状が改善されない場合はアミノ酸フードあるいは新奇タンパクフードに変更して治療効果を確認します。

特に順序に決まりはなく、ペットの嗜好性で順を決めるケースも多いです。

 

掻痒感の改善に抗アレルギー剤、副腎皮質ステロイドを投与するケースが多いです。

アタラックスなどを使用し、精神安定を図りながら掻痒感を抑える方法も取られます。

 

 

【自宅でできるケア】

ペットに変化はないか、掻きむしる様子などはないかをよく観察してください。

また、食事療法は飼い主さんの協力が不可欠です。

ペットが食事の変化にとまどわないよう声掛けなどを行ってください。

 

皮膚炎④~アトピー性皮膚炎~

今日は暑かったですね。

蝉の声も聞こえ始め、いよいよ夏の到来でしょうか。

さて、今日は皮膚炎の第4弾です。

アトピー性皮膚炎について紹介していきます。

結構よく聞く疾患ですよね、人間では最近、重症患者さんでも効果が期待される薬剤が上市に向けて前向きな結果が出たようです。

動物において考えていきますが、花粉やほこり、草木などに過敏に反応することで症状が出てきます。季節性もある場合が多いです。

診断が難しく除外診断になることが多く、感染症や食べ物のアレルギーと明確に区別していく必要があります。

【症状】

皮膚の赤み、ぽつぽつしたものができるといったものがあります。

また痒みがあるため、掻きむしったりすることで気づくことも多いです。

慢性化すると黒っぽくなったり、皮膚が分厚くなったりします。

 

【好発品種・年齢など】

柴犬、シーズー、テリア系なども多いです。

年齢は8割以上が6か月から3歳の若い時期に発症します。

さいころから長く付き合っていかないといけない疾患の一つでしょう。

 

【治療】

内服とスキンケアが基本でしょうか。

内服では使用頻度が多いのはステロイド抗ヒスタミン剤といったものかと思います。

最近新しい薬で非常に効果のある薬剤が出ています。

薬品名オクラシチニブマレイン酸塩というものです。現在のところ犬のみの適応となりますが、免疫抑制系の薬剤で非常に効果のある印象です。

シクロスポリンも使用することが多い印象です。こちらも免疫を抑制する薬剤です。

 

【自宅でできるケア】

先ほどの治療で話した通りスキンケアです。

二次的に感染症を起こしてしまう動物たちも多いため、その原因に応じたシャンプーを使用し軽減することが必要です。

感染症を起こしてしまうとさらに痒みが増し、つらい思いをさせてしまいます。

ぜひ飼い主さんにもご協力いただきたいところですね!(^^)!

 

いかがでしたでしょうか。

本日はアトピー性皮膚炎について紹介しました。

ご参考になればうれしいです!

 

 

皮膚炎③~ニキビダニ~

皮膚炎③~

昨日は七夕でしたね。

皆さんはどんなことを願いましたか?

さて、今日は皮膚炎の第三段、ニキビダニ症についてお話します。

ニキビですが、人間でもありますよね。

ニキビダニが毛穴に住み着き皮膚に炎症を起こします。

ではどんな病気かいつも通りお伝えしていきます。

 

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【症状】

症状は痒み、色素沈着、発赤といった人間のニキビと同じような症状です。

また、フケなどが出るのも特徴になります。

頭や首、四肢に多くみられます。

 

【好発品種・年齢など】

イヌに多く、ネコは稀です。

年齢は若い子と成犬のどちらでも見られますが、原因が異なるケースが多いです。

成犬では免疫抑制剤の使用が原因となったり、基礎疾患があるケースでも見られます。

ですので、成犬で症状が出たケースではそのあたりも注意しています。

 

 

【治療】

駆虫薬の外用・注射・内服があります。

局所であれば外用のケースもありますが、実際は注射か飲み薬がメジャーです。

最近はほとんど飲み薬で治療しています。

注射は使用してはいけないような犬種もいたり、注射部位反応などがある場合もあるので一般には飲み薬ですね。

 

 

 

【自宅でできるケア】

自宅で出来ることとしては、やはりほかの皮膚疾患と同様にシャンプーでしょうか。

角質の除去、毛穴をよく洗浄してあげてください。

使用するのはビルバゾイルシャンプー、サルファサリチル酸シャンプーなどですね。

リンクを張らせていただきます。良ければ参考にしてください。

 

皮膚炎にもいろいろ種類がありますね。

参考になりましたら嬉しいです。

 

 

~マラセチア皮膚炎~皮膚炎②

皮膚炎②~マラセチア皮膚炎

 

今日は久々に太陽の光を浴びました。

やっぱり人には太陽が大事ですね。

さて、前回は皮膚炎の中でも多い細菌性皮膚炎について紹介しました。

今回はマラセチア皮膚炎について触れていきます。

マラセチアというのは聞きなれない言葉かもしれませんが、カビの一種です。

このカビが引き起こす皮膚炎のことをマラセチア皮膚炎といいます。

では、どんなものか紹介していきます。

 

【症状】

痒みが強く、皮膚がべたべたします。

フケが結構目立つのも特徴です。

また、脂っぽい酸っぱい匂いがするのも特徴です。

上記のようなわかりやすい症状のため、飼い主さんは比較的早い段階で気づきます。

 

【好発品種・年齢など】

シーズーマルチーズ、チワワなどが多いです。

脂っぽい毛質のイヌに多く発症します。

年齢によって起こりやすいといったものはありません。

 

【治療】

抗真菌薬を多くの場合使用します。

薬には飲み薬と塗り薬があり、部分的か全身かで使い分ける場合が多いです。

抗真菌剤にはケトコナゾール、イトラコナゾールなどが代表的です。

 

【自宅でできるケア】

抗真菌作用のあるシャンプーを動物病院で渡されるケースが多いのでそれを使用し、きれいにしてあげてください。

ご参考までにリンクを入れておきました。

ご家庭でも購入可能ですのでよろしければ参考にしてください。

カットしてあげるなど通気性を良くしてあげることも大事です。

 

注意としてこの皮膚炎を繰り返す場合は基礎疾患を疑う必要があります。

つまり他の病気を持っているケースを考えなければなりません。

具体的には内分泌系疾患(このあたりは後日触れていきます)などです。

 

今の季節は特に通気性を良くしてあげる必要があります。

気を遣う季節ですが、かわいい子たちのためなので飼い主さん、頑張ってあげてください。

 

今日は皮膚炎の第二弾、マラセチア皮膚炎について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

お役に立てれば嬉しいです。

診療についてはホームドクターと相談していただければと思いますが、ご質問にはお答えしますので何なりと頂ければと思います。

 

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~細菌性皮膚炎~皮膚炎ってどんなものがあるのでしょう?

皮膚炎①~細菌性皮膚炎~    

いよいよ7月ですね、雨が続きますが夏が待ち遠しいです。

こういった気候の時にも動物たちの変化には気を付けたいところです。

さて、前回はどんな理由で動物病院にくるのかを紹介させていただきました。

その中の1位 皮膚炎についてお話させていただきます。

皮膚炎といってもいろんな種類があります。

今回は細菌性皮膚炎をピックアップし紹介していきます。

細菌性皮膚炎はイヌの皮膚疾患ではかなり多いです。

私の実感としても2日に1匹はいるかなといった感じです。

 

【症状】

では、どんな症状があるのでしょうか。

痒み、膿疱(赤いぷつぷつのようなものができます)、リング状のかさぶたなどです。

飼い主さんは掻きむしったり、後ろ足で掻いたりといった動きの変化や皮膚の実際の変化で気づかれて動物病院にいらっしゃいます。

 

【好発品種・年齢など 好発品種などは私の知る限りでは特にないです。

年齢などによって出やすい、出にくいといったものないと思います。

逆に言うと、どの子にも起こる可能性のある疾患といえるでしょう。

 

【治療】

多くの場合、抗菌薬を使用します。 例えば、セファレキシンなどをでしょうか。 本来であれば原因菌を同定(どの菌が悪さをしているのか確認)し、狙い撃ちの薬剤を投与する方法もありますが、負担金額が大きくなることも考慮し、比較的どの菌にも効果のある薬剤を投与するケースも多いです。 最近では抗菌性シャンプーでコントロールするケースもあります。

 

【自宅でできるケア】

先ほどご紹介させていただいた抗菌性シャンプーを自宅で使用することで改善を図ってもらえます。

毛をカットして通気性をよくするのも一つの方法かと思います。

今回は細菌性皮膚炎について紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

ご参考になりましたら嬉しいです。

 

どんな理由で動物病院にいきますか?

天気の悪い日が続きますが、元気に過ごされていますか。

プロ野球の開幕などもあり、少しずつ生活も戻りつつあるかと思います。

 

さて、動物病院に来る理由は様々ですが、飼い主さんの不安な気持ちは計り知れないものがあります。

実際、どんな病気で来院されることが多いのか損害保険会社の請求数を参考に見てみましょう。

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アイペット損害保険株式会社 2017年調査(保険請求されたもの)

 

 

実際に私の感覚としては1-4位までは同じ感覚です。

少し異なるとすれば嘔吐がもう少し上に来るかなという感じでしょうか。

 

この順番でお困りの方が多いかと思いますので、症状や対策、実際の処方例などを含め次回から具体的な病名や自宅でできるケアなどを紹介していきます。

 

参考にしていただければ幸いです。